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「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」

不動産を売却したことによって生じた所得を譲渡所得といいます。

譲渡所得には、所得税が課税されます。

  • 譲渡所得 = 譲渡収入金額 - (取得費+譲渡費用)

 

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例(租税特別措置法35条、以下「3,000万円の特別控除」)があります。

この特例を適用すれば、マイホームを売却した譲渡所得が3、000万円以内であれば税金がかかることはありません。

譲渡所得が3、000万円を超える場合には、譲渡所得から3、000万円を控除した残額に対し、所有期間に応じた税率(14.21%~39.63%)をかけた金額が税金(所得税・住民税)となります。

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「3,000万円の特別控除」を適用するためには一定の要件があります。

なお、譲渡時に居住していなくても、次のような場合は適用できます。

  1. 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合。 (住まなくなった後、売却するまでの間建物を賃貸しても問題ありません) 。
  2. その土地の譲渡に関する契約が、その家屋の取壊しから1年以内に締結され、かつ、その家屋を居住の用に供さなくなった日以降3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合。 (その家屋を取り壊した後譲渡に関する契約を締結した日まで、貸付けその他の用に供していないこと)
  3. 災害等により滅失した家屋の敷地で、その居住の用に供さなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合。

《《 具体例 》》

  • 空き家は、引越後3年以内に売却すれば、「3,000万円の特別控除」を適用できます。

(上記 1.  の例 … 建物を解体しない場合)

  • 平成29年4月に引っ越した場合、平成32年12月31日までに売却しなければなりません。

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  • 売却日は原則として「引渡し日」、ただし例外的に「売買契約日」とすることもできる。

 

  • 建物を解体した場合は、(A)解体日から1年以内に土地の譲渡契約を締結し、かつ(B)住まなくなった日から3年目の年末までに売却しなければなりません(AとBの両方の要件を満たす必要があります)。

(上記 2.  の例…建物を解体した場合)

  • 平成29年4月に引っ越し、平成30年6月1日に建物を解体した場合、 平成31年5月31日までに(解体後1年以内に)、土地の譲渡契約を締結(売却)しなければなりません。

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いつか直面する「土地・建物の相続」 (2016年/8月)

悲しい事ですが、いつか誰でも直面する相続問題

ところで、相続人が相続する財産の中身ですが、いったい何が一番多いのでしょうか?
実は、土地の価格が比較的低位安定している現在でも、土地の占める割合が一番大きいのです。

国税庁の調査によれば、平成26年の相続財産の約4割以上が土地である。

 

 

 

 

 

 

 

 

相続が始まって分かること。

→ 相続財産の半分近くが、

  分けにくく、
  お金にかえにくく、
  みんなで共有しにくい    土地である。

いつか誰でも直面する ”相続問題” 、特にやっかいな「土地・建物の相続」
一体、何を心がけておけばよいのでしょうか?

 

「相続開始から相続税申告」までの手続きの流れは、下図のようになります。

これだけ多くの手続き(相続財産と相続人を特定し、相続割合を決め、相続税の申告と納税)や、難しい調整、資金繰りを、10ヵ月以内に終わらせなければなりません。

何も対策しないまま相続を迎えると、親が苦労して取得した不動産が「お荷物」になることさえあり得るのです。

いつか直面する「土地・建物の相続」。普段から「信頼できる相談先」を確保しておきましょう。

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住宅の三世代同居改修工事等に係る特例」の創設(平成28年度税制改正)

【平成28年度税制改正…「住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設」】

世代間の助け合いによる子育て支援の観点から導入された、リフォームの税制優遇制度です。

  • 個人が、所有する住宅を、”三世代同居を目的としたリフォーム(以下「対象リフォーム工事」)”をしたとき、一定額を所得税から特別控除できる制度です。
  • ローンを利用した場合と、自己資金による場合で控除額等が異なります。

 

適用要件(概要)

 

特別控除額

適用期間

平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間の居住分

 

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度

「相続時精算課税制度」は、贈与をした年の1月1日に60歳以上の親から20歳以上の子供(子がなくなっている場合は20歳以上の孫)への生前贈与であれば、利用できる制度です。

  • 贈与時には、軽減された贈与税を支払い、その後相続時にその贈与財産とその他の相続財産を合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った贈与税額を精算します。
  • この制度は、消費を促すため、生前における親から子への贈与による資産の移転をスムーズにして、資産の有効活用を図ることを目的につくられました。

 

  • 「住宅取得等資金精算課税特例」を利用して相続時精算課現制度を選択した場合は、その後の贈与についても(贈与者が60才以下でも)すべて相続時精算課税制度が適用されます。

 

 

相続時精算課税制度の概要

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度

  • 両親、祖父母など(直系尊属)から住宅取得資金として贈与を受けた場合に、一定の金額が非課税となる制度です。

  • この制度は、単独で使うことも、「相続時精算課税制度」と組み合わせて使うことも可能です。
  • 「相続時精算課税制度」と組み合わせて使った場合、最高3,500万円まで贈与税が非課税となります。

相続財産を譲渡した場合の取得費 (2016年4月)

相続や贈与によって取得した土地・建物を譲渡したときの、取得費と取得の時期

相続や贈与で財産を取得したときは、被相続人や贈与した人の取得の時期、価格が取得した人に引き継がれます。

従って、被相続人や贈与した人が取得した時から、譲渡した年の1月1日までの所有期間で、「長期譲渡所得」か、「短期譲渡所得」かを判定することになります。

相続財産を譲渡した場合の、相続税額の取得費加算の特例とは、C-won20

相続または遺贈により財産の取得をした者が、納付すべき相続税額があるとき、相続税の申告期限より3年以内に、その相続税課税対象資産を譲渡した場合、譲渡所得における取得費に、相続税額の一定割合を加算できる特例です。

「相続税額の取得費加算」を適用して取得費に加算する相続税額の計算式

  • 土地等については取得の時期(土地等の譲渡日ではなく、相続等により取得した日)により加算する金額の計算式が異なります(平成26年度税制改正)。
  • --------------------------------------------------------------------------------
  • 平成26年12月31日以前の相続等により取得した土地等

    譲渡した者の相続税額のうち、相続した土地等価額の合計額に対応する金額を譲渡所得の金額の計算|こ取得費に加算できる。

  • --------------------------------------------------------------------------------
  • 平成27年1月1日以後の相続等により取得した土地等

    その譲渡した上地等の価額に対応する金額のみを加算する。

    • --------------------------------------------------------------------------------
    • そのため、譲渡した土地とは別に土地等を相続している場合、この改正により取得費に加算できる金額が小さくなります。
    • 取得費に加算する金額を計算する場合の「土地等の価額」は、相続税の課税価格の計算の基礎に算入された価額です。

    小規模宅地等の特例が適用された宅地等については、適用後の減額された価額により計算する。

相続した居住用宅地等を売却する場合の税務上の留意点 (2016年4月)

一人暮らしの方が亡くなって空き家となった住宅を相続した場合、相続後に誰も住まなければ売却を検討することも多いでしょう。

そのとき、相続税課税の問題があるときは、居住用宅地等を売却する場合の小規模宅地等の特例の適用を受けようとするでしょう。

「居住用宅地等を売却する場合の小規模宅地等の特例の適用を受けようとするで場合、
その適用要件の一つに、” その宅地等を相続税の申告期限まで有していること ”があるため、相続税の申告期限経過後にその宅地等を売却する必要があります。

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一人暮らしの方が亡くなって空き家となった住宅を相続した場合の税務 (2016年4月)

最近、「空き家問題」が取り上げられる事が多いと感じます。
ところで、一人暮らしであった方が亡くなって空き家となった住宅を相続し、その後売却した場合の税務はどうなるのでしょうか?

C-won20

  1. 1.相続税の課税価格について特例措置はあるか?
  2. 2.相続した居住用宅地等を売却する場合の留意点?
  3. 3.相続財産の取得費はどうなるのか?相続税額は取得費に加算できるのか?

 

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先ず、「宅地の相続税課税価格についての特例措置」についてご一緒に見ていきます。

 

減額される割合 (平成22年4月1日以後に相続開始の小規模宅地等)

  • (注)
    • ※1 平成27年1月1日施行、相続税制改正
      小規模宅地等の特例適用拡大。 居住用宅地240㎡→330㎡、 居住・事業用宅地併用、400㎡+330㎡=730㎡
    • ※2 「特定居住用宅地等」
      • 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、被相続人の配偶者または下表に掲げる要件①または②のいずれかを満たす被相続人の親族が取得したものをいう(租税特別措置法第69条の4第3項第2号)。

 

「特定居住用宅地等」の要件

「特定居住用宅地等」には、
①.被相続人の居住用宅地等と、
②.被相続人と生計を一にしていた親族の居住用宅地等があります。

一般的に、被相続人の居住用宅地等について小規模宅地等の特例の適用を受ける者は、被相続人と同居していた配偶者などの親族が多いと思われますが、被相続人が一人暮らしであった場合でも、上表の要件を満たせば小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

”被相続人が配偶者と別居していたために一人暮らし”の場合は、「被相続人に配偶者がいないこと」とする要件を満たさないので、「小規模宅地等の特例」が適用されるのは、配偶者が収得した場合に限られます。

この場合、配偶者と配偶者以外の親族が共有で取得したときには、配偶者の取得した持分の部分のみ適用可能となり、配偶者以外の親族が取得した持分の部分には適用されません。

一人暮らしの被相続人の居住用宅地等を取得した親族が、相続開始前3年以内に本人または本人の配偶者の持ち家に居住していない場合、その他の要件を満たせば「小規模宅地等の特例」の適用が受けられます。

このような親族の例としては、配偶者がおらず一人暮らしであった被相続人の子が、被相続人の相続開始の3年より前から社宅で居住していたケースなどがあります。


配偶者がおらず一人暮らしであった被相続人の居住用宅地等があり、相続税の申告を要する場合には、「特定居住用宅地等」の要件を満たして、「小規模宅地等の特例」の適用ができないか検討すべきでしょう。

ただし、早期の売却が必要な場合には、相続税額や相続財産を譲渡した場合の、相続税額の取得費加算の特例等も比較検討しながら、売却の タイミングを逸しないよう、「小規模宅地等の特例」の適用にこだわらずに相続税の申告期限内で売却を検討することも考えられます。


「家屋の相続税課税価格」の計算

固定資産税評価額を1.0倍して評価します(財産評価基本通達89)。

従って、その評価額は固定資産税評価額と同じになります。


2.及び3.については、次回、ご一緒に見ていきましょう。

 

認定長期優良住宅を新築した場合の特例措置が延長されます。 (2016年2月)

認定長期優良住宅を新築した場合の特例措置(登録免許税固定資産税不動産取得税)適用期限が

平成30年3月31日まで2年間延長になります。(平成28年度税制改正大綱改正案)

   
   
   

「長期優良住宅」の認定を受けた住宅の、登記に必要な登録免許税が、一般住宅特例よりも更に優遇されます。

「長期優良住宅」の認定を受けた住宅の、固定資産税の一般住宅特例(1/2減額)の適減額期間が、一般住宅よりも長く設定されています。

  1. 「長期優良住宅」の認定を受けた住宅の、課税標準額からの控除額を一般住宅特例よりも増額
    一般住宅特例1,200万円 → 1,300万円
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